留年生の第117回医師国家試験対策(medu4メイン)②6年生1月~国試本番、病棟実習で国試に出題されたもの

前回の記事の続きです。
4年生~6年生12月まではこちら
nakagawan.hatenablog.jp

6年生1月

年が明けてから、これまでに受験した模試の全ての問題を解きなおしました。過去問演習時と同じように、正答の選択肢を選ぶだけでなく、他の選択肢を根拠をもって除外できるようになるまで演習しました。

1月7日・8日に第3回メディックメディア模試を一斉受験しました。これが最後の模試でした。

必修89.8%、ぱんりん79.3%、偏差値54.6。ちょっと点数上がったか?くらいの出来でした。1回くらいぱんりん80%以上を取ってみたかったのですが、そんなもんでしょう。

テコ4を受験することも検討しましたが、メディックメディア模試と受験期間が重なっていて、私のキャパシティでは受験するのも疲れそうでしたし、復習が追い付かなさそうなので受験しませんでした。

6年の秋から冬にかけて、おおよそ1か月に1回のペースで模試を受験しました。「次の模試までにはこれを終わらせるぞ」という感じで目標が立てやすかったです。

1月中旬から、国試究極マップの視聴を始めました。毎年12月末にmedu4は究極マップを値引き販売しているので、そのタイミングで購入するのがおすすめです。

medu4は国試究極マップを最低3回視聴することを推奨していますが、私は講義を聴くのがあまり性にあっておらず(低学年のとき、狭い教室の中に学年全員が集められて授業を聞くのが嫌すぎて、出席とスライドを確保し次第脱走して空き教室で寝てました。よくない)、1.15周くらいしかできませんでした。

究極マップはmedu4のあたらしいシリーズの枠組みをほぼそのままに、国試頻出事項だけが抽出された教材です。hzmのいうところの「頭の中の道具箱」が目の前の1枚の紙に収まっているのが究極マップ、と言い換えることもできます。私はあたらしいシリーズの枠組みが頭の中にすでに構築されていたので、まあ1回でいっか……と思ってしまいました。
解説を聞きながら、あやふやになっている部分だけにマーカーを引いたり口頭の説明を追記したりしながら、重要事項を再確認しました。1周目のあとは、苦手意識のあった循環器と耳鼻科だけ再度視聴しました。

私はベースの教材として2020年度のあたらしいシリーズを使用していたので、2年分の情報の空白ができていました(update講座は購入しませんでした)。究極マップでは最新講座の統計に情報が更新されていたので、ついでにその空白を埋めることもできました(いつの間にか透析導入理由の第二位と第三位が入れ替わってた!)。

また、究極マップには付録として過去問4年分から作成された口頭試問がついています。これが痒い所に手が届く仕様になっていて重宝しました。
覚えているだけで2問的中していました(Traube三角を構成するもの3つ、TDMが必要な抗菌薬)。
QBを周回するだけだと拾いにくい知識から試問が作られており、hzmがいう「ジャンク演習」を防ぐことができます。例えば、こんな口頭試問がありました。
これは116回のD6が元になっています。
私がこの問題を解いたとき「Buerger病の病変部位は末梢の血管でしょ。C一択。終了」で流してしまっていましたが、試問で「梅毒は大動脈瘤の原因となる」という知識が得られました。他の選択肢を除外するようにしながら問題演習をしても漏れが出てしまう部分を、究極マップの口頭試問はカバーしてくれます。
ここまでやる必要があるのか正直分かりませんでしたが、人生がかかっているのでやるしかなかったです。

この時期大学は自由登校になっていたこともあり、昼夜逆転が治らず困りました。なるべく昼間は外出するように心がけ、iHerbでメラトニンのサプリを購入して寝る前に飲んで少しずつ直しました。

周囲の人がほとんど受講していたので、MECのラストメッセージも受講しましたが、私の肌には合いませんでした。KSRの解説が全体的にふわっとしていて分かりづらく、多くの疑問点が解消されないまま解説が終わってしまうので、追加で自分で調べなければなりませんでした。おそらく、MECをメインで使用している人が対象の講座なのだと思います。私には不要でした。

1月下旬になると、やることがなくなって虚脱気味になってしまいました。1日中ゴロゴロしていたら、たまたま2022-2020年のテストゼミ④予想編セットが安くなっていたのを見つけて購入しました。予想の的中はあまり期待せず、本番で分からない問題に出会った時のための頭の体操として利用しました。朝起きたら1コマやろう、というように生活のペースメーカーとしても使えました。国試までの残り日数が少なく、2020年度版の問題には手を付けられませんでしたが、それでも若干安くなったので満足しています。

6年生2月(国試本番まで1週間)

引き続き、究極マップ付録の口頭試問とテストゼミ予想編、過去問3年を繰り返しやりました。

国試の勉強自体に飽きてきて、何もかもがめんどくさくなってしまい、本番5~6日前あたりで1日中何もせずに20時間くらい寝てました。身体のコンディションを整えたということにしました。

MECからメールで送られてくるコクタマのうち、重要そうな部分を黒塗りして覚えました

発熱性好中球減少症からの細菌感染の原因菌は的中してました。やることがなくなってきたのであればやってもいいでしょう。

国試1日前、ヒマつぶし感覚でみんコレ!の国試予想問題を解きました。変な問題が多かったように感じましたが、正直もう頭のエクササイズになれば何でもよかったです。夜は全く寝付けず、メラトニンサプリを飲んで無理やり寝ましたが、3時半ごろに目が覚めてしまいました。仕方がないのでmedu4アプリの必修サバイバーをひたすら解き、究極マップを眺めました

国試本番

私の受験地では、受験番号は大学ごちゃまぜの五十音順でした(他の受験地も同様かは分かりません)。

休み時間には、あらかじめ印刷しておいた究極マップのうちマーカーを引いていた部分を中心に見直ししました。各ブロックの前に必ず毎回同じ受験説明と本人確認作業をやるので、休み時間は思ったより短いです。一目で見られる究極マップは大変重宝しました。たまたまかもしれませんが、私の周囲の受験生はみんな究極マップを眺めてました。

1日目終了後、夕食をかきこんですぐベッドの上で気絶しました。朝4時半ごろに起床し、追加のコクタマを黒塗りにして覚えました

2日目のEブロックで気を張りすぎて、離人症になったのを覚えています。
試験終了後、自宅の玄関をくぐった瞬間にものすごい倦怠感に襲われ、再びベッドで気絶しました。

翌日朝、自己採点で必修91%、ぱんりん88%と出たときの嬉しさはものすごかったです。

病棟実習で国試に出題されたもの

117回国試を振り返ると、病棟実習が思ったより役立っていました。

特に、市中病院の総合診療科での経験が活きました。高齢初発UC(117A12)、血培陽性結果を受けて行うべき行為(117C67)、COPD急性増悪の対応(117F63)、CO2ナルコーシスの治療(117F64)はたまたま実習で実際の治療を見ていたため、「実習ではあの先生方はこんな治療をしてたな」と思い出しながら問題を解いていました。多くの受験生がCOVID-19のために満足に実習が出来なかった中、かなりラッキーだったと思います。

当時は国試のことを考えもせず実習していましたが、これも昨今の病棟実習重視の作問によるものなのでしょうか。満足に実習が出来ない時代だったのにもかかわらず、Post-cc OSCEを卒業要件化したり実臨床を知らないと解くのが難しい問題を出したりしたのはなかなか鬼の所業だと思います

最後に

私は低学年時の学内試験を落として留年してしまったので、「こんな低学年でつまづいていたら、今後どうなってしまうんだ……」と不安しかありませんでしたが、個人的には学内試験(卒試含む)より国家試験の方が勉強しやすかったです。各国試予備校が小さな市場でしのぎを削った結果、良質な教材がたくさんできていて感動しました。

だいたいこんなところでしょうか。1つのケーススタディとしてどなたかの参考になれば幸いです。
気が向いたら、究極マップの使いづらかった点について書くかもしれません。
118回以降受験生の健闘を祈ります!